それぞれの屋根の下、聖夜に灯る明かり
西の空に薄っすらと茜雲が広がる夕間暮れ。
遠くに見える山の稜線が次第に闇と融けあい
ひとつ、またひとつ、家々に門灯が点りはじめてゆきます。
それは私たちを優しく包み、
くたびれた心を柔らかく和ませてくれます。
ひとつひとつの屋根と、その窓から洩れる灯り。
そこには灯りと同じ数だけの安らぎと幸福が閉ざされています。
誰も受け付けない、その家族の為だけの空間。
手が届きそうなほど近いのに、遠くかけはなれた空間。
今宵は灯りがもっとも似合う聖夜。
夜の海に広がる銀河のように
華やかな光の祭典もいいけれど、
野良猫が徘徊するような、うら寂びれた路地裏の
小さな灯りの帯も妙に心をそそるもの。
いづこの街にも人が溢れ、それぞれが足早に温かな灯りの待つ家路を辿っている今宵。
メリー・クリスマス!
誰もがみな、このひととき幸せでありますように。